テンプレート付き|失敗しないWebサイト制作のためのRFP(提案依頼書)の書き方
Mari
2024.05.31
Updated:2024.12.24

RFP(提案依頼書)は、Webサイトの制作やリニューアルを制作会社に依頼する上で重要な書類です。RFP(提案依頼書)の正しい書き方を理解することで、成果に繋がる効果的なWebサイトを制作できるようになります。
今回は、Webサイトの制作やリニューアルを検討中の企業担当者に向けて、RFP(提案依頼書)の書き方をわかりやすく解説します。
RFP(提案依頼書)とは
RFP(提案依頼書)は、「Request for Proposal」の略称で、企業が制作会社にWebサイトの提案を依頼する文書のことです。
依頼主である企業は、複数の制作会社にRFP(提案依頼書)を提出し、各社から提案書や見積書を受け取ります。その後、企業にとって最適な提案を検討した上で、発注する制作会社を決定します。
RFP(提案依頼書)の目的
RFP(提案依頼書)を作成する最大の目的は、Webサイトを制作・リニューアルする目的や要件を明確化し、よりよい提案を受けることです。
RFP(提案依頼書)を正しく記入すれば、制作会社との認識の相違がなくなり、現在の課題や目的に沿った適切な提案が受けられるようになります。その結果、制作過程でトラブルが発生するリスクも最小限に抑えられます。
さらに、RFP(提案依頼書)を一度作成すれば、複数の制作会社に一括でWebサイトの要件を伝えられるため、コミュニケーションコストを削減できます。また、提案内容を同じ条件で比較し、公平に評価できるというメリットもあります。
RFP(提案依頼書)の書き方・項目
RFP(提案依頼書)に記入すべき項目は、大きく次の3つに分けられます。
プロジェクトの概要
会社概要・サービス概要
依頼範囲・内容
それぞれの書き方を詳しく解説します。
1. プロジェクトの概要
1つ目に、今回依頼するWebサイトの全体像を伝えるため、プロジェクトの概要を記入します。具体的な記入内容は、次の通りです。
依頼背景・現在の課題
まず、Webサイトの制作・リニューアルを依頼する背景と現在の課題を記入しましょう。
依頼背景には、「新しいサービスのプロモーションを実施したい」「事業拡大に伴い、Webサイトのリニューアルが必要になった」「新卒採動を強化したい」「顧客からWebサイトをわかりやすく改善してほしいという要望があった」など、今回の依頼に至った理由や経緯を記入します。
現在の課題には、「Webサイト経由の売上が低迷している」「ターゲット層からの認知度が低い」「売り手市場のため人材確保が難しい」「顧客のリピート率が減少している」など、Webサイトの課題はもちろん、企業が抱える経営課題や事業上の課題なども記入します。課題が複数ある場合は、優先度が高い課題から順番に記載するのがポイントです。
このように依頼背景・現在の課題を記入することで、Webサイトの制作・リニューアル以外の解決策も含めた最適な提案が受けられます。
対象URL(サイトリニューアルの場合)
サイトリニューアルの場合は、既存サイトのURLも必ず記入しましょう。これにより、制作会社側も既存サイトの構造や課題を把握できるようになります。
サイトの目的/ゴール
Webサイトの目的やゴールも、プロジェクトの概要の中で重要な項目です。今回のプロジェクトを通して実現したい内容をできるだけ具体的な数値で記入しましょう。
<サイトの目的/ゴール一例>
Webサイト経由の年間売上○○円を達成する
サービスの認知度を○○%向上させる
採用サイトからのエントリー数を○○件以上獲得する
クレームやお問い合わせの件数を○○件以上削減する
プロジェクトを通して達成したい数値目標を明確にすることで、「購買フローの改善」「SEO施策や広告運用の実施」「WebサイトのUI/UX改善」「ヘルプページの追加」など、具体的な解決策を盛り込んだ提案が期待できます。
2. 会社概要・サービス概要
2つ目に、依頼背景や現在の課題に対する理解を深めてもらうための補足情報として、会社概要・サービス概要を記入します。具体的な記入内容は、次の通りです。
事業内容
まず、自社の事業内容について記入します。業種や業態はもちろん、「商品・サービスの特徴」「顧客の属性」「販売チャネル」「業界でのシェアやポジショニング」なども具体的に記入しましょう。
事業内容を詳しく記入することで、ターゲットとなる顧客や購買プロセス、Webサイトに求められる機能などを、制作会社がより深く検討できるようになります。
自社の強み・競合他社
次に、自社の強みや競合他社との違いを記入します。
自社の強みには、「価格競争力」「技術力」「知名度」「顧客からの評判」など、多角的な視点で顧客に選ばれる理由を考え、記入しましょう。
競合他社との違いには、「低価格路線のA社とは価格帯が異なる」「同じ高級路線のB社とは提供サービスが異なる」など、具体的な社名を挙げて差別化ポイントを記入しましょう。
自社の強みや競合他社との違いが明確になれば、Webサイトでどのような点をアピールすべきかを制作会社がイメージしやすくなります。もし自社で強みを把握できていない場合は、4P分析やSWOT分析などのフレームワークを活用するのがおすすめです。
3. 依頼範囲・内容
3つ目に、Webサイトの制作・リニューアルを依頼する範囲や内容を具体的に記入します。
希望納期
希望納期には、「2024年10月末までに新しいWebサイトをリリースする」「2024年12月1日までにサイトリニューアルを完了する」など、具体的な日付を記入しましょう。
納期に間に合わない場合の対応として、「納期延長の可否」や「段階的リリースの可否」などを記入しておくとより親切です。ただし、あまりに短い納期で依頼すると予期せぬトラブルやミスが発生する可能性があるため、ある程度余裕を持った納期を設定するよう心がけましょう。
想定予算
予算には、「○○万円までを希望」と明確に記入します。その際、初期の制作費用のみを想定した金額なのか、運用保守費用を含む金額なのかも忘れずに記入しましょう。
さらに、予算内での制作が難しい場合の対応として「最低限の機能に絞り込む」「予算の追加を検討する」といった選択肢があれば、提示しておくとよいでしょう。
なお、StudioでWebサイトを制作する場合の初期制作費目安および納期目安は以下の通りです。
シングルページ | 小規模サイト | 中規模サイト | 大規模サイト | |
ページ数目安 | 1P | 1P〜10P | 10P〜20P | 20P〜 |
初期制作費目安 ※1 | 20万円〜 | 50万円〜 | 75万円〜 | 100万円〜 |
納期目安 ※1 | 3週間〜 | 1.5ヶ月〜 | 3ヶ月〜 | 4ヶ月〜 |
ランニングコスト※2 | Starter | CMS | Business | Business |
▲StudioでのWeb制作費用例(一部抜粋)
※1 費用目安及び納期目安は、これまでのStudio Experts実績の平均値となっています。実際の費用・納期はStudio Expertsにお問い合わせください。
※2 Studio利用(サーバー代含む)に必要な月額料金の参考値です。運用改修費やドメイン更新費用は含まれておりません。 Studioの料金プランの違いはこちら
サイトの機能要件・要望
サイトの機能要件・要望は、RFP(提案依頼書)の中で最も重要な項目です。
例えばコーポレートサイトの場合「ニュースやプレスリリースなどを簡単に更新できるようにしたい」「フォームを設置することで業務時間外でも顧客からの問い合わせを受付られるようにしたい」など、要望を具体的に記載しましょう。
またデザインについての要望として、理想のイメージや参考サイトのURLなどを提示すると、より企業のブランディングにマッチした提案が受けられます。Webサイト事例集などを参考に、イメージに近いサイトを探してみましょう。
<参考>
RFP(提案依頼書)はあくまで提案を依頼するための文書のため、難しい用語や専門的な内容を記入する必要はありません。ただし、制作途中で追加作業が発生すると、納期が遅延したり予算をオーバーしてしまう可能性があります。
予期せぬトラブルを防止するためにも、「どのようなWebサイトを制作したいか」という要望をしっかりと考えて記入しましょう。
以上の内容を踏まえて、「プロジェクトの概要」「会社概要・サービス概要」「依頼範囲・内容」を適切に記入することが、効果的なRFP(提案依頼書)を作成する鍵となります。
ダウンロード不要|すぐに使えるRFP(提案依頼書)テンプレート
最後に、すぐに使えるRFP(提案依頼書)のテンプレートをご用意しました。以下のテキストをコピーして自社に合った内容を記載するだけで、簡単にRFP(提案依頼書)を作成できます。ダウンロードは不要ですので、ぜひご活用ください。
<プロジェクトの概要>
・依頼背景・現在の課題
・対象URL(サイトリニューアルの場合)
・参考サイト
・サイトの目的/ゴール
<会社概要・サービス概要>
・事業内容
・自社の強み・競合他社
<依頼範囲・内容>
・希望納期
・想定予算
・サイトの機能要件・要望(以下一例)
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・社員インタビュー
・問い合わせフォーム
RFP(提案依頼書)を活用したWebサイト制作なら「Studio Experts」
今回は、Webサイトの制作やリニューアルを検討中の企業担当者に向けて、RFP(提案依頼書)の書き方を解説しました。RFP(提案依頼書)を上手く活用することで、制作会社から最適な提案を受けられるようになります。
Studioでは、独自審査やカリキュラムを通過したプロフェッショナルのみを紹介する「Studio Experts」という認定プログラムを実施しています。業種や納期・予算に合わせて最適なパートナーを見つけることで、RFP(提案依頼書)を活用したより効果的なWebサイトを制作できます。
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