「NoCode(ノーコード)」時代の幕開け
Mako Mizuno
2020.08.11
Updated:2024.11.15
Product HuntのファウンダーであるRyan Hoover の記事「The Rise of “No Code” 」を翻訳しました。NoCodeブームのきっかけとなった記事になります。

英語記事を翻訳し紹介しています。元の記事は読みたい場合は、下記のリンクを確認ください。
https://medium.com/@rrhoover/the-rise-of-no-code-e733d7c0944d
10代の頃に流行ったWYSIWYGサイトビルダー、Dreamweaverで、私は初めてWebサイトを構築しました。そして自分の作品をとても誇りに思ったのを覚えています。決してカッコよくはなかったけれど、やり遂げた達成感が確かにそこにはありました。なんてことないそのサイトは、自分が思い描いたような成功はしなかったけれど、私にとってインターネット上でモノを制作するきっかけとなりました。
Dreamweaverや同様のツール(FrontPage, Flashなど)は、当時の私のような、HTMLとCSSの基本知識を持っている15歳の高校生にとって、モノ作りにおける障害を劇的に減らす、画期的なものでした。その衝撃は、今のエコシステムにおいては驚くことではなく、現在は、もっと安易に構築できる新しいツールが続々と生まれています。
誰もが制作者の時代へ
昔は、ソフトウェアエンジニア、または、自称Webマスターなど、限られた少数の人達だけがインターネット上で物を構築していました。野心家な彼らは、最も基本的な Webサイト公開するためだけに、何ヶ月もかけてコーディング学びました。
しかし現在では、パソコンとインターネットさえあればどんな人でも、20年前のDreamweaverよりもはるかに強力なツールを使用して、Webサイトを簡単に構築することができます。下記のGUIベースのツールは、静的なサイトを超えた、機能的なアプリケーションの構築にまで可能性を広げました。
1時間以内に構築できるもの
Webflowを使用した、美しいレスポンシブ対応のCMSサイト
ShopifyでEコマースサイト
Octane AIを搭載したショップ向けFacebookメッセンジャーボット
Bubbleを使用したWebアプリケーション
Voiceflow[1]を使用したボイスアプリ(私が10分で制作したジョークのボット)
CarrdでシンプルなシングルページのWebサイト
Substackで購読ニュースレター
ScapicでAR/VR/3D体験
Readymagで運用するオンラインマガジン
Sheet2SiteでGoogleスプレッドシートからWebサイトに変換
Retoolで内部のダッシュボードとツール構築
Zeroqode、NoCodeやMakerPadなど「NoCode(ノーコード)」に着目したリソースもあります。
これらのツールにより、アイディアを使用可能なものにするのにかかる時間が減り、必須であったコーディングの専門知識がいらなくなりました。そして、私たちはプログラマーを目指す必要がなくなり、異なる背景や視点から、制作者の新しい波が起きています。
NoCode(ノーコード)の批評に対する考え
予想していた通り、「NoCode(ノーコード)」ツールに対し批判する声や、判断する声は多いです。トレードオフを伴いますが、コーディングができるプログラマーを含め、コードを記述しないプロダクト、少なくともMVPが開発されることを避けることはできません。
最近、シリーズA段階のスタートアップ企業の副社長と、SalesforceとZapierを使用したB2Bのリード獲得方法について話しました。もちろん、この会社にはエンジニアチームがあり、開発環境が整っていますが、彼は「NoCode(ノーコード)」のツールを使用することを選びました。その方が圧倒的に早く始動でき、メンテナンスが楽だからです。
私たちはよく、難しいことの方がより良いと捉えることがあります。それが正しい時もあります。しかし、「NoCode(ノーコード)」ツールが進化する中、古いやり方にこだわっていてはもったいないです。
インフラのホスティングの変革は、すでにこの段階まできています。以前は、インターネット上でサイトを公開するには、高価なサーバーを設置し、開発に労力(時にはストレス)を費やす必要がありました。そして、Yahooがホームページでそのサイトを掲載したならば、おそらく想像以上のトラフィックにより、サイトがクラッシュしていたでしょう。
今は、AWS、Heroku、Google Cloudをはじめ、ホスティングを楽にするソリューションが数多くあります。経験豊富で才能ある開発エンジニアでさえも、これらのサービスを使用を選びました。そうすることで、サーバーに悩む時間を費やさなくていいからです。
これからのモノ作り
インターネットでのモノ作りが、より多くの人に届くことにより、さらに多くの人が制作者となるでしょう。今までのような、1%未満のコーディングができるエンジニアだけに限定されないことで、急速に新しいアイディアが増えました。Golden kitty awardの受賞者を含め、Product Huntでは「NoCode(ノーコード)」プロジェクトをよく見ます。
この傾向は、5年前にProduct Huntを始めた時によく話題になりました。多くの人が制作者になるとともに、フィードバックを提供したり、制作者の挑戦をサポートするコミュニティへの熱望が高まります。[2]
誰もがみな制作者になるにつれて、制作者のコミュニティはさらに注目[3]をあびます。そして、制作者の収益を支援したり、サイドプロジェクトの仲間を見つけたり、情報を広めるための手助けの場となるでしょう。もしかしたらそれらも「NoCode(ノーコード)」で構築されるかもしれません。

[1] 免責事項: 私はVoiceflowに投資をしました。これまでも説明してきましたが、私は制作者やクリエータ向けのツールに非常に興味があり、投資を検討しています。もし、それがあなたなら、ぜひ私の元へ連絡ください。
[2] 私たちはProduct Huntで、制作者、フリーランサー、リモートワーカー、サイドプロジェクトを行っている人向けに、新しいものを構築してます。登録はこちらからできます。
[3] もちろん、Product Huntは制作者を支援するだけのオンラインコミュニケーションではありません。創業以来、数多くが急成長しています。このトピックに関する記事は、近々また共有します。