ファッション・ビジネスを支援する「TERMINAL」がStudioを選んだ理由とこだわりデザインを手掛けたデザイナーもちさんとの制作秘話
Studio
2021.12.23
Updated:2024.12.23

こだわりのサイトリニューアルに込めた想いとデザイン制作秘話を、ターミナル株式会社の代表「伊奈 亮輔」さんと、リニューアルを担当したデザイナーの「坂元 麻貴子」さんこと「もちさん」が語ってくれました。
まずはお二方の自己紹介をお願いします。
伊奈:ターミナル株式会社の代表をしています伊奈と申します。弊社では「TERMINAL」というファッション業界のBtoB向けインターネットサービスを提供しています。今回ウェブをリニューアルする際に色々検討した結果、もちさんにデザインを依頼しました。
もち:坂本麻貴子と申します。通称、餅太郎(もちたろう・もちさん)と呼ばれています。本業は某スタートアップのCDOとして、BtoBサービスのデザインを手掛けています。本業以外では駆け出しのデザイナーさんにデザインを教えるコミュニティーをやっていたり、Studioを使ったWebサイト制作を請けていたりもします。

ファッション業界向けのBtoBサービスでビジネスを成功に導く
TERMINALさんの事業について詳しく教えていただけますか?
伊奈:ファッション界隈は通常、春夏とか秋冬などシーズンごとに新作発表があるのですが、パリコレやミラノコレクションのような大々的なショーをやらないブランドであっても、新作商品を公開する際にはシーズンごとに展示会をやるんです。その展示会でたくさん受注をするので、とても大事なイベントなんですね。そしてその展示会の時期って本当に忙しいんです。
我々は、その展示会というイベントに特化して、業務が煩雑になったり効率化できていないというところをデジタルやデータの力で解決してビジネスを成功に導くサービス「TERMINAL」を提供しています。
TERMINALという名前にはどんな意味が込められているんですか?
伊奈:モノが行き来する、みんなが通過する場所の1カ所でありたいというのがもともとの構想で、そんな意味を込めました。コロナの影響で、展示会をオンライン化しなきゃいけないとか、世の中をDX化するぞとか、わりとアバウトな言葉が僕たちの業界には溢れていたと思うんです。その定義が捉える人によって結構違ったり、何がどうなっていくのか具体的にイメージできないケースが多いなと思っていたので、展示会という一個のイベントを通じてビジネスを変えたかった。
実際にイベントという目の前で起きている物事から解決していき、そしてそのデータを活用してどれだけビジネスを発展できるか、ビジネス競争力をどれだけ高められるかなど、そういったところを具体的に支援していきたい。だから、サイトのキャッチコピー「展示会から始まるファッションビジネスの未来化」という言葉にもかなりこだわりました。

サイトリニューアルに込めた想い
リニューアルの経緯は?
伊奈:僕らのサービスってすごくニッチな業務用サービスなんですね。で、どう訴求すべきかってのを考える中で、実は1年前にもサイトをリニューアルしているんです。ただ、その時は僕らが考えている世界観を伝えることだけを目的に、サービス説明の画面もなかったくらいアバウトな内容だったんです。
一方、今回のリニューアルではできるだけ、サービスを検討してくれる様々な層の方々にスムーズにその内容を理解してもらえるようにというところと、近年主流のBtoBマーケティング手法をTERMINALのサービスを通じてクライアントへ提供するだけでなく自社サイトにも取り入れてその効果を分かりやすく示したいと考えて、改めてリニューアルをすることにしました。

なぜStudioで作ろうと思ったんですか?
伊奈:Studioで作ろうというのは、デザイナーさんにお願いする前から決めていたんです。サービスのウェブサイトやLPって、実際マーケティングの業務範囲と思っているので、マーケティングチームで全部運用や管理ができるようにというのがStudioを選んだ一番の理由です。
WordPressでも近いことができるのかもしれないけど、結局ソースコード書けないと無理とかある程度のコーディングスキルが必要になってくる。でも例えば、サイトの細かい更新や修正、例えばニュースをアップするとか、ちょっとリンクを追加する、といったところにエンジニアリソースを使いたくなかったんです。できるだけプロダクトのサービスを作るのにエンジニアのリソースを割きたい。
そして、Studioをちゃんと分かっている人にデザインをお願いするとしたら、Studioパートナーさんがいいだろうなと思い、パートナーページからもちさんを含めた2名に連絡をしました。
デザインのこだわりが凄かったと聞いてますが、実際どうでしたか?
もち:…こだわりは歴代一位でしたね(笑)。
伊奈:そんなつもりはなかったんですが(笑)。
ただ、人並み以上に良いデザインを普段から見ているというのはあると思いますね。自分たちの商品やサービスとか書類とか、見えるもの全部汚いのが嫌なんですよね。かっこいい表現とか、何が嫌だとか、普段から考えているので、そういう意味でこだわりが強かったかもしれません。
もち:まず、連絡を頂いたときはファッション関係のプロダクトっていうのを聞いて、おしゃれ感度高そう〜!変なデザイン出せないなぁ、と身構えた記憶があります…(笑)

伊奈:うちのトンマナに近いデザイン制作実績があったというのも決め手で、イメージを伝えやすかったです。情報設計はこちらで行って、ワイヤーフレームの状態でお渡しして、そこからデザインをしてもらうというところから始まりました。
うちの事業の根幹とかどういうサービスなのかということを、この短い制作期間で全て伝えるのはすごく難しいと思ったので、中のテキストもコピーライターをきちんと入れて、できるだけ内容を整理した状態で、もちさんに託すようにしていました。
どのくらいの期間をかけて制作したんですか?
もち:デザインがメインとはいえ、やりとりを始めてからなんだかんだ3ヶ月くらいかかりましたよね。私はアパレルに関する知識はほとんどなかったので、これはどういう機能なんですか、など都度画面を見せてもらったりして進めていました。
伊奈:最初お渡ししたワイヤーからちょっとずつFigmaでデザインを作ってもらって、こんな感じでどうですか、というやりとりを2,3回くらいやりましたよね。1回大きく変えたり戻したりするのも発生して、ここまでお願いしていいのかなとか、ちょっと分からなかったんですけど。多分その辺が(もちさんとしては)大変だったと思います。

もち:私は、常に戦っている感がありました。常に伊奈さんの要望に応えなきゃという(笑)。
私の普段の仕事のやり方としては、一気にバーンとデザインを作って全体確認してもらって、ちょっと修正をして完成、というのが多かったんですけど、TERMINALさんの場合は1回全体を作ったときに、なんか違うぞ、となり(笑)。
どこが違いますかね、みたいな感じでやりとりしていくうちに、1個作ったらこれでどうですか、と細かく確認して密にやりとりするという風にやり方を変えました。
伊奈:無機質でスタイリッシュな海外のファッション系サービスを最初に参考に伝えちゃったものだから、僕らは国産のサービスってことを訴求したかったのに、最初は外国サービスっぽいデザインになっちゃったんです。日本のサービスなので日本語の要素を増やしたい、とか色々調整してもらった記憶があります。
デザインの一番のこだわりポイントは?
もち:本当に全部こだわったので、ここが一番こだわったっていうところを決めるのは難しいんですけど、敢えて言うならやっぱりアニメーションでしょうか。サービスが使いやすいよ、シームレスに使えるよっていう雰囲気を伝えるために、気持ち良いアニメーションを心がけたというのはあって、結構複雑な組み方を頑張って作りました。
伊奈:平面以外のアニメーションできちんと表現してくれたってのはすごい嬉しくて。
デザイナーさんって、言われたところまでやる人なのかそれを超えてくる人なのかってあるじゃないですか。もちさんは基本言わずともやってくれる方だったのですごく嬉しかったです。

逆に一番議論になったポイントは?
伊奈:議論になったというか、そもそもどこまでやります?みたいな話は後半でたくさんしましたね。サイトではイラストを結構差し込んでいるんですが、イラストはそもそも依頼してもいいのかとか、イラストって物事の本質を理解していないと表現するの難しいじゃないですか。その辺はかなり、夜中まで(笑)やりとりしましたよね。
もち:たくさんやりましたね(笑)。私もイラストは専門ではないですし、サービスのことを深く理解しているわけでもなかったので、伊奈さんが手書きで書いたイメージから既存の素材を組み合わせたり加工しながら頑張ってイメージに近いものを作って、都度フィードバックをもらってという感じで進めました。

サイト公開後の反響はどうでしたか?
伊奈:いやもう大反響でしたよ(笑)。
そもそもリニューアルする前って資料請求のフォームがなかったり、そういうマーケティング施策をちゃんとやってなかったんです。そういう施策を一個一個、問い合わせフォームを入れたり、資料請求の導線をちゃんと入れたり、ちゃんとHubSpotと連携させてデータを解析してとか、本当にちゃんと組み込んだので効果も得やすくなりましたし、全部のコンバージョンが必然的に上がっているんだろうなっていう感触です。
もち:私もTwitterでサイト公開について発信したら、問合せや相談を受けるたびに「TERMINALさんみたいにカッコいいサイトを作りたいです」と言われるようになりました。デザインのハードル上がったなぁって感じています(笑)。周りからもこのサイト事例がカッコいいって言われることが一番多いです。
もちさんに依頼してみてどうでしたか?
伊奈:正解でした。すごく頼んで良かったと思います!
やっぱりそれぞれ得意な領域ってあると思うんですよね。僕ら今までウェブサイトを実は3回作っていて今回で4回目なんですよ。ウェブデザインってその時に近しい仲の良いデザイナーにお願いして作りがちだと思うんですが、Studioの使い方や表現方法をちゃんと分かっているもちさんにお願いできて、運用のしやすさも学べたしとても良かったです。
どんな方がもちさんに依頼すると良いですか?
伊奈:おしゃべりな人がいいんじゃないですか(笑)。というのも、僕おしゃべりなんですけど、コミュニケーションが好きな人だったら、すごくやりやすいと思いますね。堅苦しい業者とかじゃなくてフランクにやりとりできましたし、自分たちの想像を超えたデザインをしてきてくれた。そういうのも、やはりStudioの使い方を熟知されているからでしょうし。
サイト制作全体を通しての感想は?
もち:過去の制作事例の中でも一番密にやりとりさせていただいて、素材の制作点数も多かったし、フィードバックも含めやりとりが多かったので、大変だなと思うこともあったんですが、完成したものをみたらすごく良いサイトができたなと自分でも感じるので、コミュニケーションを密にしてやっていくって大事なことなんだなって、とても学びになりました。
Studioでファッションビジネスはもっと進化するかも!?
おふたりからのメッセージ
伊奈:最近自社ニュースのコンテンツを、自分でStudioで作ってサイトに追加したりしてるんですね。それを見て欲しくてもちさんに今もご連絡したりするんですけど(笑)、Studioだとこんな感じで自分たちでやれる範囲が増えるから、すごくいいなと思います。
あと、ファッション業界だとウェブサイト制作を依頼するにしてもネットで人(デザイナー)を探す習慣がなくて、業界的に周りに(別分野の)デザイナーが多いので、ウェブデザインが本業じゃないデザイナーに頼んじゃうことも多いんですね。Studioの制作パートナーにファッション関連の事例を持つ人が増えると、関係者に紹介もしやすいしファッション業界全体をもっと進化させることができるんじゃないかと思っています。
もち:私からは…今忙しくて、お仕事待ってま〜す!とは言えない状況なんですが(笑)、来年くらいからは新しい仕事請けられるかもしれないです。よろしくお願いします。Twitterフォローしてね!(笑)

おふたりの楽しそうなインタビュー風景からサイト制作時もこんな風にやりとりしていたのかなと想像できる、とても素敵なインタビューとなりました。貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!