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課題


効果
・システム構成および運用体制の見直しにより、運用コストを約40%削減
・新規ページ制作・機能追加のリードタイムが数週間〜1か月超から1〜2週間程度へ短縮
・ライブプレビューを活用した確認フローにより、営業担当とのやりとりがシンプルになり、サイト改善のサイクルが加速している

ファッション・アパレル、ブランドマーケティングの領域で多数のビジネスを展開する、伊藤忠商事株式会社の繊維カンパニー。各ブランドのWebサイト運用を担う繊維情報化推進室では、14サイトを複数サーバーで管理していたことによる運用負荷や、インフラとアプリケーションで分かれていたベンダー体制に課題を感じていました。
そこで同社が選んだのがStudioへの移行です。CMSやサーバーの保守負荷、セキュリティ対応の工数を大幅に削減しながら、運用コスト約40%削減やサイト更新のリードタイム短縮といった成果にもつながっています。
今回は、繊維情報化推進室の駒野さんと田中さんに、導入の経緯と移行後の変化についてお話を伺いました。
繊維経営企画部 繊維情報化推進室
駒野様
繊維経営企画部 繊維情報化推進室
田中様
── Studio導入前はどのような課題がありましたか?
駒野様:私たち繊維情報化推進室は、伊藤忠商事の繊維カンパニーが展開するビジネスを、ITインフラ・システムの視点から、現場と一体となって推進する組織です。当カンパニーでは国内外のアパレルブランドを多数展開しており、各ブランドのWebサイト管理も私たちの仕事のひとつです。
導入前は、14サイトを4台のサーバーに分散して運用していました。サーバー環境やバージョンもサイトごとに異なっており、管理の手間が積み重なっていくような状況でした。
もう一つ大きかったのが、ベンダー体制の複雑さです。もともとWebサイトは一社にまとめてお願いしていたのですが、グループ全体でクラウドセキュリティを強化する取り組みが始まり、AWS環境への集約が進みました。
その結果、インフラはクラウドベンダー、アプリケーションはWeb制作を担うベンダーと役割が分かれてしまい、障害が発生した際にはどちらの問題かを切り分けるところから始めなければいけない状態でした。
田中様:運用の実務はほぼ私一人で担っていたため、あらゆる調整が自分のところへ集まっていました。たとえばテキストを一文直すだけでも、営業担当から私に依頼が来て、私からベンダーに連携して、仕上がりを確認して、違ったらまた修正を依頼しての繰り返し。
場合によっては都度見積もりが発生し、社内で発注承認を取るための工程が必要になり、単純な修正でも1か月近くかかることもありました。
CMSのバージョンアップも、サーバーやデータベースとの兼ね合いがあるため個別対応が必要に。グループ全体でセキュリティを強化する一方、移行の過渡期に体制が複雑化してしまったことが課題でした。
── Studioを導入するまでの経緯を教えてください。
駒野様:AWSのEC2で動かしていたサービスが、サポート終了(EOSL)のタイミングを迎えたことが直接のきっかけです。既存環境をそのまま更新して使い続けるか、この機会に別のサービスへ移行するかを検討する中で、田中がStudioを提案してくれました。
田中様:以前から個人的にStudioは知っていて、フリーアカウントで触ったこともありました。法人向けサービスが始まっていることを知り、今抱えている課題を解決できるのではないかと考えました。
── 導入の決め手は何でしたか?
駒野様:セキュリティ面での安心感です。社内の申請やベンダー審査が非常に厳しいこともあり、導入検討の入り口として、すでに大企業への導入実績があることは大きな材料でした。Studio側にチェックシートを記入してもらい、社内基準との照合も行いましたが、問題なくクリアできました。
何か問題が起きたとしても、日本製のプロダクトであれば日本語ですぐに相談できます。そのサポート体制のイメージが持てたことは後押しになりました。
田中様:私にとっては、セキュリティやインフラまわりの保守管理をStudio側に任せられるという点が魅力的でした。CMSやサーバーのバージョンアップ業務から解放されると思うと、これまでの大半の悩みが消えるイメージがありました。
── 実際に使い始めてみて、最初の印象はいかがでしたか?
田中様:セキュリティまわりの不安が消えたことで、気持ちが一気にラクになりました。ダッシュボードやデザインエディタも使いやすく、プレゼンテーションソフトを触ったことがある人であれば、Web制作の経験がない営業メンバーでも直感的に扱えると思いました。
実際には、複雑なデザインが必要なところはStudioの制作パートナーに協力してもらい、それ以外は自分で作り進める形で、これまでに10サイト以上を移行・制作してきました。
── 移行にあたって、特に意識したことはありますか?
田中様:既存サイトをきちんと再現することをもっとも大切にしました。各ブランドには担当の営業メンバーがいて、Webサイトだけでなく展示会も含めてブランド全体の世界観を作り上げています。ノーコードに移行することでサイトのクオリティが下がってしまい、ブランドへの影響が出てしまう事態だけは避けたかったんです。
実際に触ってみると静止画ベースの再現はもちろんのこと、アニメーションも柔軟に実装できることがわかり、期待以上でした。
もう一つ意識したのは、できる限りStudioの基本機能だけで完結させることです。カスタムコード機能を使ってJavaScriptなどを埋め込めば、表現の幅は広がります。しかし特定の知識を持つ人しか触れなくなると、また属人化してしまうことが考えられるため、将来的な運用やメンテナンスのことを考えて、基本機能を中心に構築することを方針としました。
── 具体的に便利だと感じた機能はありますか?
田中様:CMS、フォーム、外部ツール連携、レスポンシブ対応など、必要な機能がひと通り揃っているので、組み合わせながらフル活用している感覚があります。
サービスサイト上でブランド表現をする際、特に役立ったのがアニメーション機能です。2026年4月にリリースされた「Scroll Effect」機能は、当社のブランドページでさっそく活用しました。実装できる表現の幅が想像以上に広がったと、頼もしさを感じています。
それと、「ライブプレビュー」の機能も日常的に重宝しています。以前は修正の依頼を受けるたびに表計算ソフトなどで仕様書を作り、ベンダーさんに依頼をして、戻ってきたものを確認するというフローでした。
今はプレビュー用のURLを営業担当に共有すれば、修正したい箇所について数回のメールだけで完結できるようになりました。

── 導入後の成果を教えてください。
駒野様:コスト面で大幅な削減ができました。以前はアプリケーション側のベンダー費用、インフラ側のベンダー費用、AWSの利用料金が別々にかかっていました。Studio運用に移行後、それらをまとめて見直したところ、全体で約40%の削減につながっています。
また、CMSやサーバーのバージョンアップが積み重なって身動きが取れない状態が続いていたので、その心配がなくなったことで気持ちの面もかなり楽になりました。
田中様:私が一番実感しているのは、コミュニケーションにかかる工数の変化です。以前は営業担当とベンダー間の調整と社内承認が必要で、ページの新規追加や機能追加が発生すると、公開までに1か月以上かかることもありました。
今は修正依頼をメールでもらい、Studio上で直してライブプレビューで確認してもらう。それだけで完結するようになりました。2週間もあれば社内で完結できることがほとんどです。
営業担当者から「もうできたんですか」と言われることも増え、サイト改善のスピードが格段に上がったと実感しています。
── グループ全体のセキュリティ管理という観点でも、変化はありましたか?
駒野様:はい。グループ全体という意味でも大きな変化がありました。伊藤忠商事には約250を超えるグループ会社があり、これらにはグループ共通のセキュリティ基準(ミニマムスタンダード)が適用されています。私たち繊維情報化推進室は、管轄するグループ会社がこの基準を満たせるよう支援する役割も担っています。
従来は、この基準に基づき各社が個別にサーバーやCMSを運用していましたが、「セキュリティ対策が正しく実装できているのか不安」という声も多く聞かれました。また、2年に1度の脆弱性診断にもコストがかかり、金銭的な負担も少なくありませんでした。
一方で、Studioへ移行することでインフラ管理が不要となり、セキュリティ面の負荷を大幅に軽減できます。こうした背景から、昨年度はグループ会社のIT責任者向け年次イベントにおいて、Studio移行の取り組みを紹介しました。興味を持って動いてくれている会社も出てきており、手応えを感じているところです。
── 今後、Studioを使って取り組んでみたいことはありますか?
駒野様:社内での活用範囲を広げていきたいですね。今は主に繊維情報化推進室が運用を担っていますが、今後は現場の営業メンバーにも権限を付与して、テキストの修正などは自分たちで更新できる体制にしていきたいと考えています。現場に近いメンバーが自分たちで更新できるようになれば、情報発信のスピードも変わってくると思っています。
繊維カンパニーでは多数のグループ会社と連携してビジネスを展開しており、各社のセキュリティレベルを高めていくことも繊維情報化推進室の大きなミッションです。Studioはセキュリティ基準への対応という意味でも相性がいいので、引き続き事業会社へのプロモーションも積極的に進めていきたいと思っています。
田中様:この一年、Studioを使ったサイト構築と運用に時間をかけて取り組んできたこともあり、精神的な余裕だけでなくスキルも向上しました。デザインを勉強できたことで、ほかの社内向け資料の作成といった業務にも活かせるようになったと感じています。
今後は、私以外の誰でもサイトに触れる環境を広げていきたいですね。属人的に運用していた状況を変えていくことが、次のステップだと思っています。
── 最後に、Studioをおすすめしたい企業を教えてください。
駒野様:セキュリティポリシーが厳しく、かつWebサイトの更新に情シスだけでなく営業現場も関わっているような企業におすすめしたいです。専門知識がなくても安心して扱える環境が整っているので、スピード感を持った情報発信がしやすくなります。
田中様:属人化で悩んでいる現場の方に、ぜひ使ってほしいですね。一人で何サイトも見ているような状況だと本当に大変だと思うので。
最近はAIでサイト制作をする流れも増えてきています。しかし私たちの場合は、ブランドごとに大切にしている世界観やポリシーがあるため、完全にAIに任せるという感覚はありませんでした。営業メンバーを中心にブランド全体を見ながら作っていくものなので、運用面はできるだけシンプルにしたいと思っていたんです。
その点、Studioはデザインエディタもセキュリティ管理も使いやすく整っていて、運用負荷を大きく下げられました。似たような立場で悩んでいる方には、まず一度触ってみてほしいですね。
※掲載内容は取材当時のものです。

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