人気ウェディングフォトグラファー・小澤 彩聖が語る、表現への思い。これまでのこと、これからのこと
"自分のカラーや個性を「ポートフォリオサイト」という手段で表現する人が増えれば、ウェディング業界がもっと盛り上がると思います。"
小澤 彩聖
Ozawa Ayato
"自分のカラーや個性を「ポートフォリオサイト」という手段で表現する人が増えれば、ウェディング業界がもっと盛り上がると思います。"
小澤 彩聖
"自分のカラーや個性を「ポートフォリオサイト」という手段で表現する人が増えれば、ウェディング業界がもっと盛り上がると思います。"
小澤 彩聖
Ozawa Ayato
おしゃれで温かいタッチの写真で活躍するウェディングフォトグラファーの小澤彩聖さんに、撮影を通して届けたいものや、これからの活動に対する思いを伺います。
自己紹介をお願いします。
ウェディングフォトグラファーの小澤彩聖です。
挙式・披露宴や前撮り写真を中心に、家族写真やカップルの写真、結婚式以外にも企業さんの撮影なども含め、幅広く撮影の仕事をしています。

目の前の人に笑顔を。エンターテインメントの本場での原体験
なぜ写真の道を?
僕、アメリカのディズニーランドで1年間キャストとして働いた経験があるんです。
日本のサービス業界とは違う点も多い、エンターテインメントの本場で、どうしたら目の前のお客さんが幸せになってくれるか試行錯誤する、とても貴重な1年間でした。
その中で、自分のしたことに泣いて喜んでくれる人、「また遊びに来るよ」と言ってくれる人がいて、たくさんの笑顔を生み出した経験が忘れられなくて。
日本に帰ってからも、いろんな人・もの・場所に触れて、目の前の人にどんなきっかけや感動を届けられるかを大事に仕事をしていきたいという軸があって、相手、そして自分自身を豊かにしてくれる「写真」を手段として選び、学び始めました。
写真は小澤さんにとって、人との関わり方を形づくる手段なんですね。
そうですね!カメラを握ってシャッターを切ることで、ファインダー越しに繋がった人たちに対して日常を豊かにするもの、人生の糧になるちょっとしたものをプレゼントしているような感覚を得ています。

ファインダーを通して、大切に思える人たちが増えていく
ウェディングフォトグラファーとしての依頼は、どんな形で舞い込むんでしょうか?
駆け出しの頃は「CRAZY WEDDING」というオーダーメイドの結婚式をプロデュースする会社の撮影を中心に活動していて、段々とインスタグラムや友人からの紹介を中心に個人で依頼をいただくことが増えてきたような状況ですね。
基本的に、自分が繋がりのある人だったり、共通の知り合いを通して依頼をいただく機会がほとんどです。
その中でも、「彩聖さんに撮ってほしい」と直接DMをくれる方々は、写真の色味や雰囲気だけではなくて、具体的に「声が聞こえてくる写真で」「あたたかい空気があって」というように、写真の内面と言える部分に惹かれて僕に依頼をしてくれる方が多くて。本当にありがたいことに、自分の届けてきたエンターテインメントが、ちゃんと伝わっているのだなと感じています。
仕事をする上でのこだわりは?
とにかくお二人、そしてお二人を取り巻く周りの人間関係まで「自分ごと化」することですね。
やっぱり関係を深く築いてこそ、結婚式という場で捉えられる情報が多くなりますし、声の聞こえてくるような写真が撮れるんです。
自分ごと化のもう一つのメリットは、僕にとって親族のように大切に思える人たちが増えていくこと。「結婚式を撮ったらその場で終わり」ではなく、赤ちゃんができたらマタニティを、産まれたらお食い初めを撮らせていただいたり、大きなイベントごと以外にも「ディズニーに行くから一緒に遊びに行くがてら撮ってよ」と家族写真の撮影を頼んでくれたり、続く方とは本当に人生の伴走をさせていただいてます。
仕事の機会を通じて出会った他人が大切な人になって、自分ごとで関われる仲間になっていって、気心の知れた間柄でまた撮影をするときは、自分自身の人生ってすごく豊かだなと感じられる瞬間になっていますね。

達成したいこと、「こう生きたい」という理想はありますか?
やっぱり僕の根っこにある想いって一貫していて、「誰かの生きる糧になりたい」「その人の人生にきっかけやエンターテインメントを与える存在でありたい」で、それがそのまま人生で達成したいことにもなっています。
それを体現していくためにカメラを握り続けるし、この軸はずっとブレずに持ち続けたいなと思っていますね。

自分の信じる価値を届けるために。枠組みを超えた、次なる挑戦
次のステップとして考えていることは?
僕は今の所ウェディングフォトグラファーと名乗っているんですけど、去年コロナの流行をきっかけに改めて自分の進むべき道を考えたとき、結婚式という、ある種「作られた」場で築いていける関係性には限界があるなということも、正直感じてしまっていて。
「結婚式」という場が、実はやりたいことの制限になっている?
本来結婚式は、人生の節目に、周囲の人に見守られながら過去を丁寧に振り返ってゆっくり語らい、これからを約束する場だと思うんですけど、場として完璧に演出されているからこそ、実際にそこで生まれる会話って「久しぶり〜」「かっこいいじゃん、めっちゃ似合ってる」「お幸せにね!また今度飲みに行こうよ」というような、形式的なものにとどまってしまう側面もあると思うんですよね。
「結婚式」という場自体が、実は僕の持ち味である「声の聞こえる」写真を撮るのが難しかったり、純度を下げる要因にもなるんじゃないかと思うこともあって。
「人」起点で活動される、小澤さんならではの切り口ですね。
その疑問をきっかけに、ウェディングフォトグラファーとしてのあり方をすごく考えたんです。なんでおでこをくっつけるんだろう。見つめ合う時間ってなんなんだろう。ただ綺麗に写る場所とポーズを追い求めるんじゃなく、そこで「自分が」「相手を」写真として残す意味を持たせて表現するにはどうすればいいんだろうって。
僕が撮影を通して届けたい価値は、その写真があることによって、自分が大切だなと思う人を大切に思い続けられること。ふと目に入ったときに、「また明日も頑張ろう」「色々あるけど、この人達がいるから大丈夫」って思える力を持った写真を残すことです。

事業を準備されていると聞きました。
はい。色々考えた結果、僕の信じる価値をもっと届けるため、結婚式という枠を取り払って、「お二人の思い出の人や場所をめぐる撮影体験」を新しい事業として提供しようとしています。
付き合った場所、思い出のデートの場所、プロポーズの場所。その写真に映るものは、世間的に「映えてる」ものではないかもしれないけれど、二人にとっては意味のある、大切な記憶を形作るもの。
そういった二人のルーツを旅しながら撮影をして、今の関係とともに記録に残すことで、大切な人をもっとずっと大切にし続けられるようになる。
そんなサービス「Roots&Routes」を、今ちょうど立ち上げるタイミングです。

Roots&Routes ふたりのルーツを巡り、その旅を写真に残す
ポートフォリオが、自分の描きたい世界観を拡張してくれる

ご自身のポートフォリオはどういったタイミングで制作されましたか?
これも去年、コロナ流行のタイミングです。自分自身のフォトグラファーとしてのスタンスをもっと明確に示したいという思いで、Webデザイナーの友人と綿密に相談しながら作りました。
気に入っている部分はどんなところですか?
感情や声が聞こえてくるような写真たちを、色々な現場での写真から集めてきて一つのアルバムのようにレイアウトした、「Portfolio」ページですね。
そこをスクロールしてみるだけでも、心が温かくなったり、「こんな写真撮ってもらいたい」「こういう式を挙げたいな」というイメージが湧くようなデザインにできたかなって思っています。

どんな人がSTUDIOでポートフォリオを作るべきでしょうか?
ウェディング業界って、「誰に頼んでも同じじゃん」って見られてしまいがちなんですよね。それは僕のようなウェディングフォトグラファーに限らず、スタイリストさんだったり、ヘアメイクさんだったり、はたまたウェディングプランナーさんもなんですけど。
でも実際は、それぞれ思いを込めて関わっている人たちが本当に多い業界なので、自分のカラーや個性を「ポートフォリオサイト」という手段で表現する人が増えれば、業界としてもっと盛り上がるんじゃないかと思っています。
WebやITに詳しくない方も多く、「サイトを作る」ということに対してハードルを高く持ってる人たちが多いなという印象があるので、簡単に幅広い表現が実現できるSTUDIOが、もっと多くの人に広まれば素敵だなと思いますね。
小澤さんにとってSTUDIOは、どんな存在ですか?
自分がこれから描いていきたい世界観、歩んでいきたい人生観みたいなものを、自由自在な表現によって拡張してくれる存在ですね。
ウェディング業界に限らずいろんな表現者の人たちが、STUDIOというプラットフォームを使ってもっともっと輝いていけるような社会になったらいいなって思います。
胸の内を色々とお聞かせいただきありがとうございました! これからの邁進も、楽しみにしています!

小澤 彩聖
Ozawa Ayato
Walt Disney Worldにてキャスト勤務し、帰国後ウェディングフォトグラファーの道へ。昨年、株式会社PIXELを設立し ”写真"を残す意味を再定義すべく、写真の価値を再定義する写真事業「Roots&Routes」とクリエイティブ制作事業(写真、映像、デザイン)を行い、表現者が表現者で生きられる社会を作るべく、hanpo株式会社を設立し、下北沢に[Cafe & Shisha chotto]を運営している。
https://ayatoozawawedding.studio.site/