気鋭フォトグラファーの拡張を続けるクリエイションの源泉
"STUDIOの場合はデザインしたらそのままウェブサイトになるので、そのダイレクトさが触っててとても楽しく、制作に没頭してしまいました。"
クロカワ リュート
RYUTO KUROKAWA
"STUDIOの場合はデザインしたらそのままウェブサイトになるので、そのダイレクトさが触っててとても楽しく、制作に没頭してしまいました。"
クロカワ リュート
"STUDIOの場合はデザインしたらそのままウェブサイトになるので、そのダイレクトさが触っててとても楽しく、制作に没頭してしまいました。"
クロカワ リュート
RYUTO KUROKAWA
ポートフォリオサイトを訪れた瞬間、彼の作風は一瞬で掴めるだろう。 脳に刺さるビビッドな色彩。ポップなイラストレーションのようにグラフィカルな構成。 サイトの主はクロカワリュート。大手クライアントの案件を数多くこなし、SNSでのフォロワーも14,000人を超える人気フォトグラファーだ。 確立された作風は本人の嗜好や信念によるものかと思いきや、「この作風、実は戦略なんです」とクロカワは言う。 「国内のトレンドと海外のトレンドを分析して、作風を決めました」 彼の発言からは、綿密なリサーチを行うマーケターのような一面も垣間見える。そんな気鋭のフォトグラファーのインスピレーションの源と、彼のエッセンスを加えたポートフォリオサイト作成に迫る。
グラフィックデザインを写真で”つくる”
フォトグラファーの道に進まれたきっかけを教えてください。
クロカワ:二十歳の時に専門学校に通っていて、自分が作った作品を撮るためにカメラを買ったのが最初でした。作品を撮る以外では、趣味として散歩中に鳥や猫の写真を撮っていたのですが、その後自分のキャリアにも変化があってオウンドメディアなどのコンテンツディレクターやプロデューサーといった仕事をするようになったことから、仕事でも撮影するようになりました。
取材として撮影したり、副業で個人向け撮影をしながら少しずつフォトグラファーとしてのスキルやキャリアを築いていき、独立後の今はこういったフォトスタジオで広告を撮る仕事をメインでやるようになりました。ちょうど独立して3年が経ち、今4年目に入ったところです。

クロカワさんというとヴィヴィッドな色彩とフラットな構図ですが、この作風にはどのようにたどり着いたんですか?
クロカワ:これ、実は半分、戦略的なんです。僕がこんな作風で撮影を始めて4年くらいになるのですが、当時SNSで流行ってた写真って、エモい感じとか、何かナチュラルなフィルムっぽい写真が多かったんですよね。それらと同じことをやってもしょうがないなと考えていたときに、海外の広告でカラフルな作品が増えているなっていうのを見ていて。カラフルな写真ってジャンル的には昔からあるものの、そこに自分らしさを載せてみたというのがきっかけです。


自分らしさとは?
クロカワ:生々しい臨場感を写したものより個性的な絵っぽい写真が好きなんですよ。その被写体や人をより良く写すというより、グラフィックデザインを写真で作ってるような感覚が強い。
だから、ほしい画の完成図が先に頭の中にあって、そこに当てはまるようにモデルを入れていく。こういう画が欲しいからこういう被写体やモデルがいいとか、配色パターンなど資料を作って提案することもあります。
構図や配色のインスピレーションはどこから?
クロカワ:SNSは参考にしないようにしてるんです。視野を広く持ちたいと思って。海外の作品や雑誌など、自分の畑以外でインプットするようにしています。
他にも、実際に街に行って洋服を見ます。レディースの店にもよく行く。女性向けの服の方がカラフルで素材感が豊富なんですよ。店頭で色合わせを考えるのは刺激になりますし、店員さんに今季のカラーを聞くのも面白い。撮影での衣装や配色のインスピレーションになっています。


写真が主役となるポートフォリオ
ポートフォリオサイトを作ろうと思ったきっかけは?
クロカワ:無いよりは有ったほうがいいだろうと簡単なペライチのサイトはもともと作っていたんですが、日々忙しく働いていると、部屋と同じで色々散らかってきちゃうというか。なので独立して3周年を迎えたタイミングで改めて足元を整えて外向けに発信できるサイトが欲しいなと思いました。

自身でWebサイトまで作ってしまうのは珍しいと思うのですが、昔から何か作ったり表現することが好きだったのですか?
クロカワ:プログラマー経験もあるのでデジタルで動くものを作るのも好きですし、ガンプラから料理まで、何かしら作ること全般が好きですね。今回ウェブサイトも自分でデザインして作ったんですが、基本的に自分の手で作れるものはなるべく自分で作りたいというマインドです。
作成ツールの選定はどのように?
クロカワ:ポートフォリオは名刺みたいなものなので、自分で見せ方をコントロールできるように、作品を自分で配信・管理できるサイトにしたかった。自分でサーバーを立てて CMS を導入するのが一般的ですが、そうするとセキュリティやバージョンアップの対応が大変じゃないですか。サイトリニューアルに伴って管理が煩雑になるのは避けたいと考えていました。
どうしようかなと考えていた時、元々名前を知っていたSTUDIO を触ってみると CMS が使えるようになっていて。メールフォームの導入も簡単だし、これだけ機能が揃っていれば十分だなと。じゃあ本格的に使ってみようと、そこから一気に一日半くらいで作り上げました。
すごいスピード感ですね!
クロカワ:クリエイターって一度スイッチが入ると止まらないみたいなところがあると思うんですが、僕もそのタチなので、いじればいじるほどこんなことも簡単にできるのかとテンションが上がり、これは早く作って公開しちゃおう!と勢いで完成させました。
例えばPhotoshopやIllustratorなどのツールでデザインカンプを作っても、それがいきなりウェブサイトにはならないじゃないですか。でも STUDIO の場合は STUDIO でデザインしたらそのままウェブサイトになるので、そのダイレクトさが触っててとても楽しく、制作に没頭してしまいました。

どのような点にこだわって作成されましたか?
クロカワ:なるべく写真が主役になるように心掛けました。実はテンプレートをカスタマイズしてるんですが、なるべくテンプレートを使っていると分からないように、かなり気を使ってデザインしています。


サイト完成後、まわりの反応はいかがでしたか?
クロカワ:すこぶる反応が良いです!周りのフォトグラファーやクリエイターからも、とても褒めていただいています。格好いいとか可愛いって言ってもらえるのはもちろん、見やすいという言葉をいただいて。
あと、あまりにサイトの評判が良かったので、ウェブサイトのデザインをベースに名刺も作り変えました。ちょうど名刺を切らしたタイミングでトンマナを揃えることができて良かったです。
Webでのフットワークが軽くなるという利点もありました。普段は個人向けの仕事はほとんどしていないんですが、先日独立3周年イベントとして個人の方向けのプロフィール撮影会をイベントとしてやったんです。そのイベント予約フォームも STUDIO でさくっと作ってすぐに公開できました。何かやりたいと思った時にすぐ対応できるのはすごくいいですね。

三周年の節目に外部への発信プラットフォームも整った。次の10年に向けて野望や目標があれば教えてください。
クロカワ:今までは本当に一個一個の広告の仕事を大事にやらせていただいていたんですけど、今後はもっとフォトグラファーという枠を超えてどこかとコラボして、何か一緒にクリエイティブを作ったり発信していくような働き方を模索していきたいです。
そういったことを実現する手段だったり、仲間だったり、一緒にできる企業さんだったり、気軽に相談してもらえると、僕も写真以外の打ち返し方もいっぱいあるので、柔軟に何か一緒にいいもの作れたらなと考えています。
脳内にあるイメージを、ツールを通して具現化する。写真とWebサイトという違いはあれど、手を動かしモノを作りあげる喜びは変わらないものだろう。
ポートフォリオサイトをフォトグラファー自身で作成することは今はまだ珍しいかもしれないが、STUDIOがクリエイターの手足となり、表現の場をWebサイトまで広げていく。
クロカワリュートの横顔は、そんな未来の到来を予見させるものだった。
クロカワ リュート
RYUTO KUROKAWA
フォトグラファー 1985年東京生まれ、東京在住。ディレクターやプロデューサーを経て2019年6月に独立したフリーのフォトグラファー。広告・アーティスト・ファッションを中心に幅広く活動中。カラフルな色彩、印象的な画作りが大手企業やブランドから多くの支持を集めている。
https://ryutokurokawa.tokyo