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イベントLPの構成と開催後までの段取り

村上 悠希

2026.08.21

Updated:2026.08.21

    イベントLPの基本構成と、開催日から逆算した制作の段取りをまとめました。ファーストビューに置く5つの情報、来場型で問い合わせになりやすい記載事項、制作期間と費用の目安、開催後のページの扱いまで解説します。

    イベントLPは、展示会やフェス、マルシェ、周年イベント、ユーザーコミュニティの集まりまで、来場や参加の申し込みを集めるためのページです。伝えるべき情報が決まっているため構成の型は定まっており、その型どおりに作れば、申し込みまでの流れは成立します。

    つまずきやすいのは、構成そのものよりもページを公開するまでの段取りです。開催日が動かせないなかで制作にどれだけ時間を取れるか、そして開催後にページをどう作り替えるか。この2つは構成の型では解決しないため、作り始める前に決めておく必要があります。年に何度も開催するなら、ここを先に決めたかどうかで2回目以降の制作の手間が変わってきます。

    なお、セミナーやウェビナー単体の告知ページは、フォームで聞く項目と開催後の扱いの考え方が変わります。その場合は開催後まで見据えたセミナーLPの構成とフォーム設計の方が近い内容になります。

    イベントLPとは

    イベントLPとは、特定のイベントへの参加申し込みを集めることを目的とした1ページ構成のWebページです。開催概要、その場で何が体験できるか、出演者や出展者の情報、申し込みフォームまでを1つの流れにまとめ、訪問者が迷わず申し込みに進める形にします。

    読者の多くは、広告やSNSの投稿、知人からの共有をきっかけに、開催を知って初めて訪れます。会社案内やサービス紹介を読みに来ているわけではないため、他のページへ移動させず、そのページの中で参加するかどうかを決められる構成が基本になります。

    イベントサイトとの違い

    イベントLP

    イベントサイト

    ページ数

    1ページ

    複数ページ

    目的

    参加申し込みという1つの行動

    申し込みに加えて、開催前後の情報発信

    主な掲載内容

    開催概要、イベントの内容、出演者・出展者、申し込みフォーム

    プログラム詳細、会場案内、出展社・出店者一覧、開催レポート

    向いている規模

    判断に必要な情報が限られている開催

    複数のセッションや会場が並行する大規模な開催

    更新の前提

    開催までの差し替えが中心

    開催前から開催後まで継続して更新

    どちらを選ぶかは、掲載する情報量と開催規模で決まります。複数のセッションが並行して進む、出展社や協賛社の一覧を載せる必要がある、開催前から開催後まで継続的に情報を出し続ける。このいずれかに当てはまるならサイト形式、当てはまらなければLP形式が目安です。

    判断に迷う場合は、参加を決めるまでに読者が知りたい情報を書き出してみると、1ページに収まるかどうかが見えてきます。他社がどのようなページを作っているかは、イベントサイトのデザイン事例とテンプレートにまとめています。実際に公開されているページを見たい場合は、Studio Showcaseのイベントカテゴリに事例が集まっています。

    申し込みにつながる基本構成

    イベントLPに載せる要素は、おおむね次の順序で構成します。来場型の開催では、当日その場所に足を運べるかどうかが判断の中心になるため、日時と場所、参加条件を早い段階で出し切る並びにします。

    ファーストビュー

    最初に表示される画面には、次の5つを置きます。

    • イベント名

    • 開催日時

    • 会場名(オンライン開催であればその旨)

    • 参加費の有無

    • 申し込みボタン

    ここに書かれていない情報を探すために読者がスクロールを始めた時点で、離脱の可能性が上がります。

    有料イベントの場合、金額をこの位置に出すかどうかは判断が分かれます。金額で先に絞られる懸念はありますが、後から知って申し込みをやめる読者は、そのぶんページを長く読んだうえで離脱します。無料開催であれば、その旨は迷わず入れておきます。

    何が体験できて、何を持ち帰れるか

    来場型のイベントでは、その場でしか得られないものが参加の理由になります。何が行われるかだけでなく、参加すると何を体験できて、何を持ち帰れるのかまで書きます。

    その場でしか買えないものに出会える、作り手と直接話せる、同じ関心を持つ人とつながれる、といった具合です。写真が使えるなら、文章より過去回の会場写真の方が伝わります。初開催で写真がない場合は、当日の様子を具体的な描写で補います。

    想定している参加者像を明記しておくことも有効です。子ども連れで来てよいのか、ひとりで来ても浮かないのかは、書かれていないと読者が判断できません。

    出演者・出展者の情報

    誰が出るのか、どこが出展するのかは、参加を判断する材料として大きな比重を占めます。出演者やゲスト、出店者、出展社がこれに当たります。氏名や社名だけでなく、何を見せてくれるのか、何を出すのかがわかる一文を添えます。

    出展社や出店者が多数になる場合は、全件を並べるよりカテゴリごとにまとめる方が読みやすくなります。開催までに増える前提であれば、確定した順に追記できる形にしておきます。

    社外から招く場合は、プロフィール文と写真をいつまでにもらうかを、最初のやり取りの段階で伝えておきます。本人や先方の事務所・広報の確認が入るぶん、社内で用意する情報より時間がかかります。公開日から逆算した締切を共有しておくと、素材待ちで公開が後ろ倒しになる事態を避けやすくなります。

    開催概要とアクセス

    日時、開場と開演の時刻、会場の住所、参加費、定員、申込締切をまとめて記載します。

    来場型で問い合わせにつながりやすいのは、会場までの行き方と当日の条件です。次の項目は、書かれていないと当日までに主催者へ連絡が来ます。

    • 最寄り駅からの経路と所要時間:地図の埋め込みだけでは、徒歩何分かが読み取れません

    • 駐車場の有無と台数:車で来る想定がある地域では、あるかないかを明記します

    • 入退場が自由かどうか:途中から来てよいのか、再入場できるのかで来場の決め方が変わります

    • 雨天時の扱い:屋外開催では、決行か中止か、判断をいつどこで知らせるかまで書きます

    • 年齢制限と同伴者の扱い:子ども連れやペットの可否は、当日のトラブルにも直結します

    当日のプログラムと会場内の動き

    何時から何が行われるかを時間の並びで示します。ステージやエリアが複数ある場合は、どこで何が行われるかを対応させておくと、目当ての時間だけ来場する読者も判断できます。

    会場が広い開催では、エリアの配置がわかる簡単なマップがあると、当日の動きが想像しやすくなります。制作時点でプログラムが固まっていないことも珍しくないため、確定した項目から順に埋められるよう、枠だけ先に用意しておくと公開を待たずに済みます。

    チケットと申し込みフォーム

    申し込みボタンは、ファーストビューとページ下部の最低2箇所に置きます。ページが長い場合は、体験内容の説明が終わった直後にも置いておくと、読み終えた流れのまま申し込みに進めます。

    チケットの種類が複数ある場合は、フォームに進む前に一覧で示します。前売りと当日、一般と学生、時間帯指定といった区分は、金額と枚数の上限、購入期限をセットで書かないと、フォームの選択肢だけでは判断できません。

    入力項目は、当日の運営で実際に使うものに絞ります。基本は氏名とメールアドレスで、そこに運営上どうしても必要なものだけを足します。会場で食事を出すならアレルギーの確認、同伴者を認めるなら人数、時間帯を選ぶ形式なら希望枠、といった具合です。項目ごとに、当日その情報がないと運営が困るかどうかを基準にすると、増やしすぎを避けられます。

    フォームを含めたページ全体の並べ方については、LPの構成要素を図解でまとめた記事もあわせて参考になります。

    制作期間と費用の目安

    制作期間は、1ページに収まる情報量で掲載内容が確定していれば1〜2週間程度が目安です。ただし実務では、出演者や出展者の確定、社内確認に時間がかかり、想定より後ろ倒しになることがよくあります。

    1ページに収まらずサイト形式になる場合も、社内で作れる体制があれば1ヶ月程度で公開している例があります。結婚式を挙げる予定の顧客に向けたイベントを年2〜3回開催しているテイクアンドギヴ・ニーズでは、社内のクリエイティブチームがイベントサイトを1ヶ月弱でリリースしました(テイクアンドギヴ・ニーズの事例)。いずれの形式でも、開催日から逆算し、集客期間を確保できる公開日を先に決めておく方が安全です。

    費用は、テンプレートを使う場合と、オリジナルでデザインする場合で幅があります。金額を左右するのは主に次の要素です。

    • オリジナルデザインの範囲と、素材制作の有無

    • 申し込みフォームや決済機能の要否

    • 既存の申込管理システムとの連携

    • 開催までの更新対応を含めるかどうか

    外注する場合、テンプレートを活用した構成であれば数十万円規模から、オリジナルデザインや外部システムとの連携を伴うと100万円前後まで上がることもあります。条件による差が大きいため、要件を整理したうえで相談する方が精度が上がります。

    社内で制作する場合は、制作ツールの利用料と担当者の工数が主なコストになります。外注費はかかりませんが、構成を考え、デザインと文章を作る時間は必要です。年に1回だけの開催であれば外注して確実に仕上げる、年に複数回開催して毎回更新するなら社内で作れる形にしておく、といった分け方が現実的です。

    同じ型を使い回せるセミナーのようなページと違い、イベントは回ごとに作り込む部分が多くなります。そのぶん、内製に切り替える目安となる開催頻度は低めに置くのが実情に合います。

    イベントLP制作の4ステップ

    1. 目的と目標申込数を決める:集客数を最大化したいのか、特定の層に確実に届けたいのかで、訴求もデザインも変わります。目標値を先に置くと、公開後に何を改善すべきかが判断しやすくなります。

    2. 掲載情報を確定させる:出演者や出展者の情報、当日のプログラムは、確定が遅れやすい部分です。後から差し込む箇所を先に決めておくと、確定待ちで制作全体が止まらずに済みます。

    3. 構成とデザインを作る:広告やSNSからの流入が中心になるため、パソコンでの見栄えよりもスマートフォンでの表示を先に確認しておきます。当日は会場付近でページを開く来場者もいるため、地図やアクセス情報がスマートフォンで読めるかも見ておきます。

    4. 実装し、フォームの動作を確認する:申し込みデータが正しく届くか、自動返信が送られるかを、公開前に実際の申し込みを試して確認します。有料イベントであれば、決済まで通して試します。

    公開後の集客

    公開しただけでは申し込みは集まりません。開催日から逆算し、どの経路をいつ動かすかを公開前に決めておきます。イベントの集客は開催直前に伸びる一方、会場の手配や物量の確定には締切があるため、いつまでに何件必要かを先に置いておくと判断しやすくなります。

    過去の参加者・既存リストへの案内:前回までの参加者は、すでに関心を示しているぶん反応が見込みやすい経路です。案内は1回で終わらせず、公開直後と開催直前の2回に分けると見落とされにくくなります。

    出演者・出展者・共催先からの発信:主催者のアカウントだけで告知するより、出演者や出展者本人から発信してもらう方が、届く相手の範囲が変わります。出演や出展を依頼する段階で、告知への協力もあわせて相談しておくとスムーズです。告知に使える画像やハッシュタグをこちらで用意しておくと、発信してもらいやすくなります。

    SNSでの告知:来場型のイベントは写真や動画と相性がよく、拡散が期待できる経路です。一方で投稿は時間とともに流れていくため、開催までに複数回投稿する前提で、そのたびに切り口を変えられるよう素材を用意しておきます。

    開催地域に向けた告知:地域の情報サイトや自治体の掲示板、会場周辺の店舗など、その土地の人に届く経路は、来場型の開催では効き方が変わります。掲載までに日数がかかることも多いため、公開日が決まった時点で問い合わせておきます。

    Web広告:短期間で申し込みの母数を作りたい場合の選択肢です。会場から来場できる範囲に絞った配信ができるため、来場型では地域の指定を含めて設計します。

    申し込み後のリマインドも集客の一部です。申し込みから当日までの間隔が空くほど、当日の参加率は下がりやすくなります。開催前日や当日朝の連絡を、公開の時点で段取りに組み込んでおきます。

    申し込みを取りこぼす3つの要因

    開催日時と場所が探さないとわからない

    イベントLPで離脱につながりやすい、代表的な原因です。デザインを優先した結果、キービジュアルの中に日時が小さく配置されていたり、スクロールしないと会場かオンラインかがわからなかったりするケースがあります。読者が最初に知りたい情報は、最初に見える位置に置きます。

    参加条件と費用が読み取れない

    有料なのか無料なのか、事前申し込みが必要なのか当日参加できるのか、対象年齢や同伴者の可否が書かれていないケースです。当日その場に行けるかどうかを確かめられないまま、読者はページを閉じます。特に子ども連れやグループでの来場を想定している開催では、条件が書かれていないだけで候補から外れます。

    申し込み後の流れが書かれていない

    申し込んだ後に何が届くのか、当日どうすればよいのかが書かれていないと、申し込みそのものをためらわせます。確認メールがいつ届くか、チケットや参加証はどの形で受け取るのか、当日は受付で何を見せればよいのかを一文添えるだけでも変わります。

    開催後の扱いと、次回に引き継ぐ設計

    イベントLPは、開催が終わった時点で役割を終えます。しかしページ自体は残るため、扱いを決めておかないと、終了したイベントの申し込みページが公開され続けることになります。

    公開前に、次のいずれかを決めておきます。

    • 申し込みフォームを閉じ、終了の告知に差し替える

    • 開催レポートや次回の案内ページに転換する

    • ページを非公開にする

    年に複数回開催するなら、3つ目より2つ目を選ぶ方が積み上がります。当日の写真と来場者数を載せた開催レポートに切り替えておけば、次回の参加を検討する人が、どんな場なのかを具体的に確認できます。初めて参加するかどうかを迷う読者にとって、過去回の様子は文章での説明より強い判断材料になります。

    繰り返し開催する前提であれば、1回目を作る段階で、毎回変わる部分と変わらない部分を分けて管理しておくと、2回目以降は変わる部分だけを差し替えれば済みます。日時、出演者、プログラムは毎回変わる部分、主催者情報や注意事項、過去回のレポートへの導線は変わらない部分にあたります。

    年2〜3回のイベントを実施しているテイクアンドギヴ・ニーズでは、その都度コンテンツを更新する前提で、更新のしやすさを考慮しながらイベントサイト全体を設計しています。公開したサイトについては、参加者の約8割が「わかりやすかった」と回答しました(テイクアンドギヴ・ニーズの導入事例)。

    イベントLPが集客に直結した例もあります。SmartHRがユーザーコミュニティ「PARK」で開催したPARK fes. 2023では、LPをStudioで制作し、延べ233名の申し込みを集めました。これは同コミュニティのイベントとして過去最大規模でした(SmartHRの導入事例)。

    開催直前まで自分たちで直せる状態にしておきたい場合は、ノーコードで構築できるStudioのようなツールも選択肢になります。開催が近づくにつれて発生する出演者やプログラムの差し替えを、制作会社を介さず当日まで反映できる点が向いています。一方で、有料チケットの決済や座席の割り当て、既存の申込管理システムとの細かい連携が必要な場合は、標準機能だけでは足りず、チケット販売サービスなど外部サービスとの併用を前提に考える形になります。

    まとめ

    イベントLPで最初に固めるのは、開催日時と会場、参加条件です。この3つが最初の画面で読み取れる状態を作ったうえで、体験の中身と出演者・出展者の情報で判断材料を渡し、申し込みフォームまでつなぎます。構成自体は型が定まっているため、そこで大きく差がつくことは多くありません。

    差が出やすいのは、開催日という動かせない締切に対して公開日をどう設定するかと、終わったページをどう扱うかです。この2点を構成づくりより先に決めておくと、特に年に複数回開催する場合は、回を重ねるごとに負担が軽くなります。

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    村上 悠希

    広告代理店・SaaS企業を経て、現在はStudioでマーケティングを管掌。


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